農作業委託の受け皿に 開設から1年、休耕地解消に貢献 龍郷町地域振興公社
2021年09月23日
地域
耕作放棄地の解消や高齢化が進む農家の農作業委託の受け皿として、一般社団法人龍郷町地域振興公社が今月で開設から2年目を迎えた。現在5人体制で町内の休耕地などを活用してサトウキビとカボチャを栽培しているほか、農作業の受託を請け負う。公社は1日付で町認定農業者にも認定。今後5年間の方針を掲げた農業経営改善計画を基に耕作放棄地解消面積の拡大や農作業受託件数を増やし、地域農業の活性化を目指す。
同町は国の補助事業や町単独事業を活用して休耕地解消に取り組んできたが、農家の高齢化などもあって町内には依然として多くの耕作放棄地が存在している。そこで、離農や管理作業不足によるキビ収穫面積の減少や休耕地増加に歯止めをかけようと、昨年9月11日に公社を設立した。
公社を主管する町農林水産課によると、公社はこの1年間でキビの株出しほ場0・2㌶と耕作放棄地3・3㌶を活用して営農を開始。2・9㌶でキビ、0・6㌶でカボチャを栽培し、5月に春カボチャの集出荷を終えた。キビは管理作業を進め今冬から出荷を予定しているほか、今月から年末以降に出荷できる抑制カボチャ(冬カボチャ)の栽培も始めるという。
農作業の受託では、キビの植え付けや中耕・培土などを実施してきた。公社で営農指導係を務める里山辰二さん(56)は「高齢化の影響で、これまでできていた作業ができない農家もいる。農作業の一部をフォローすることで、高齢農家の生きがいづくりをサポートできれば」と意欲をみせる。
今後も高齢化による受託作業の需要増加が見込まれるため、作業機械の拡充による作業分散化や農作業の受注から清算までの管理を行い、作業の効率化を進める方針だ。
町農林水産課は「今後は5年後をめどに計画的に休耕地を解消して栽培面積の規模拡大を図るとともに、作業を通じて職員の農業に対する知識や技術を高め、農業振興に寄与したい」としている。
農作業の委託などに関する問い合わせは電話0997(69)4524町農林水産課へ。